モンモンモン2

せっかくなので、サルに関する話をもう少し。

サルは日本において信仰の対象としても広く崇められてきた。
メジャーなのは太陽神の使いとしての顔だ。太陽神を祀る日吉神社(山王神社)には必ずと言っていいほどサルの像が置かれている。
僕の実家からほど近い日吉神社にもやはり「三猿」の像があり、子供心ながらに見ざる聞かざる言わざるの姿を面白がっていた記憶がある。

比叡山延暦寺の僧の著書とされる神道理論書『耀天記(ようてんき)』によれば、
漢字の発明者とされる古代中国の人物・蒼頡(そうけつ)が
神が日本の日吉神社にサルの形を借りて現れて吉凶を示すことから「申(さる)が示す」という意味で漢字の「神」を発明した、
との説話もある。
これは創作の可能性が高いとされるが、面白い話だ。

また「厩猿(まやざる)」と呼ばれる習俗が東北地方には見られる。
馬(や牛)の健康、安産、厩の火除けなどを願って猿の頭蓋骨や手、あるいは絵札などを厩に飾るもので、これは相当に古い伝統だと言う。
200年ほど前までは東北6県のほとんどの世帯で見られたらしい。
「鰯の頭も信心から」ではないが、頭蓋骨を飾るとは奇異な風習である。
古来から日本にある「猿は馬を守る守護者である」とする信仰がこの風習を生んだのだと考えられている。

他にも猿田彦命や庚申信仰など、ざっと思いつくだけでもサル信仰は多岐に渡る。



信仰とは少し違うが、サルが登場する伝承も数多い。
村の娘を毎年1人ずつ人身御供として差し出させ、最期は大犬に退治された妖怪猿神の物語は有名だ。
岡山を始め全国各地に類似の話が伝わっている。
長野の山中に現れたと言われるヒヒや山梨をはじめ全国に伝わるサトリなどの妖怪も、
姿形を見るにサルが怪物化したものと思われる。
さらに民話に目を向けると、桃太郎や猿蟹合戦にも猿は欠かせない。

これだけ幅広く信仰や伝承が存在するのは考えてみればごく当然で、
器用に手を使い、群れで社会的に暮らすニホンザルはその容姿からしても
言うなれば人間の縮小態であり、古代人からすれば神の使いや神そのものに感じられたのであろう。



そんな尊いサル様だが、クライマー目線ではその登攀能力が気になるところ。
ニホンザルの握力は50キロほどだという。成獣の体重が15~18キロ程度らしいので、体重の3倍ばかりの握力があることになる。これは相当強い。
またニホンザルはオリーブオイルをまんべんなく塗った木も難なく登ることができたとの記録もある。

それなら例えば前傾斜の外岩の課題なんかも登れるのだろうか。ランジはできるのか。どれくらい細かいカチまでなら持てるのだろうか。スローパーはどうか。また、登るスピードはどうなのだろう。

そういえば、北海道の某動物園で寝床にクライミングウォールが設置されていたのはオランウータンであったか。
鍛え込んだ「人間のクライマー」こそが、少なくとも哺乳類の中では登攀能力が最強であってほしいと願っている身としては、
ニホンザルやオランウータンとクライマーが登攀対決をする姿がいつか観てみたい。

クライミングをメディアで見かける機会も増えてきたことだし、この申年のタイミングにテレビ番組か何かでぜひ取り上げて頂きたいものである。











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プロフィール

くにくに

Author:くにくに
生まれ 秋田
現住所 東京

趣味
フリークライミング、将棋、妖怪

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