野槌

先日栃木の山あいを散策中、丸く太ったマムシを見かけて、ツチノコかと一瞬思った。

「えっ、今のってツチノコかも!」といったように何かしらのツチノコ錯覚をした経験は、誰でも一度くらいあるのではなかろうか。


ふと、そういえば日本一有名と思われるUMAであるツチノコのことを、名前とおおまかな見た目以外は何も知らないことに気がついた。

妖怪マニアとしてこれはイカンと思い、これをキッカケにツチノコについて自分なりに少々調べてみることにする。




ツチノコの身体的特徴
・普通のヘビと比べて、胴の中央部が膨れている。
・2メートルほどのジャンプ力を持つ。高さ5メートル、前方2メートル以上との説や10メートルとの説もある。
・日本酒が好き。
・「チー」などと鳴き声をあげる。
・非常に素早い。


ツチノコという名称は元々京都府、三重県、奈良県、四国北部などで用いられていた日本語の方言だったらしい。

東北地方ではバチヘビとも呼ばれ、ほかにもノヅチ、タテクリカエシ、ツチンボ、ツチヘビ、土転びなど日本全国で約40種の呼称があり、ノヅチとタテクリガエシや土転びはそれぞれ別の妖怪として独立している例もあるとのこと(いま挙げた3種類は僕も別々の妖怪として認識していた)。

妖怪野槌(ノヅチ)はゲゲゲの鬼太郎でもお馴染みなので知っていたため、
ツチノコはその名前や容姿から野槌の子どもという意味だと勝手に解釈していたのだが(鬼太郎の野槌はとても巨大)、
どうやら野槌とツチノコは呼び方が違うだけで同一のもののようだ。

そんなツチノコという名称が一般的に知れ渡ったのは1972年。作家の田辺聖子が、ツチノコ捕獲に情熱を燃やす作家山本素石をモデルとした小説『すべってころんで』を発表したのが契機らしい。

翌年にはツチノコに遭遇した経験を持つという、『釣りキチ三平』でお馴染みの漫画家・矢口高雄が、ツチノコをテーマとした漫画『幻の怪蛇バチヘビ』を発表。ツチノコブームに火がついた。
(なお、矢口高雄先生は僕の故郷・秋田県の出身である。ツチノコと遭遇したのも秋田県なのだろうか。)

1972年というと僕が生まれる10年も前である。

ブームから40年以上も経つのに、今の若い人でもツチノコのことは姿形まで(ぼんやりではあるが)知っているというのは凄いことではなかろうか。

また、ツチノコはどこか心の中で「本当は実在してたりして…?」と思ってしまう魅力がある。
人面犬や口裂け女と違って、存在にリアリティがあるのだ。



そして調べるうちに分かったのだが、妖怪野槌は神聖なものとして扱われる記述も多い。
古事記などに名前が見られる野椎神(ノヅチノカミ)と同じものと考えられているのだ。
そしてノヅチノカミは野の神であるカヤノヒメ神の別名であるとも言われている。
ツチノコは神様でもあるのだ。


ところでゲゲゲの鬼太郎における妖怪野槌は、
大蛇のような身体に大きな口だけの顔で、
なんでも吸い込む掃除機のような特殊能力を持つ怪物として描かれている。なぜそんな妖怪になったのかは謎だ。水木先生のセンスは一味違う。


鬼太郎における野槌。めちゃめちゃ巨大だ。



僕も子供のころは、野槌というのはなんでも吸い込んじゃう妖怪なんだナと認識していた。






まとめると、
ツチノコは妖怪野槌やタテクリガエシ等と同様のモノで、初出は奈良時代の古事記。
ノヅチノカミやカヤノヒメという神様とも同一である。ってことが分かりました。
同じ様なUMA(?)である人面犬や口裂け女の知名度が下火になっても、ツチノコの話は色褪せずに生き続けるのは
ブームが起きたのは40年前だけど、伝承としては1000年以上前から日本の各地で語り継がれているからなのでしょうかね。

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プロフィール

くにくに

Author:くにくに
生まれ 秋田
現住所 東京

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フリークライミング、将棋、妖怪

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